循環器内科
循環器内科
2020年1月 1日
虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の危険因子の1つに、LDL-C(悪玉コレステロール:悪玉-C)があります。一方で、悪玉-C値が正常でも虚血性心疾患を発症する例も多く存在し、悪玉-Cの中でも小型で高比重のコレステロールは、動脈硬化を促す作用が非常に強く"sdLDL-C:超悪玉コレステロール"と呼ばれています(図1、図2左)。超悪玉-Cの特徴は、①血中滞在時間が長く、②酸化変性をきたしやすいため動脈硬化を起こしやすい点です。
肥満、メタボリック症候群、糖尿病などで中性脂肪(トリグリセリド)が上昇すると、悪玉-Cの小粒化が起こりやすく、超悪玉-Cが増加するとされています。超悪玉-Cの測定は、困難とされて来ましたが、当院検査科と協力し簡便な定量法(デンカ生研)で限定ではありますが、測定を開始しています(図2右)。
当科では、悪玉-Cだけでなく超悪玉-Cも測定して、両方を動脈硬化の指標とし、健康管理センターとも連携し虚血性心疾患の予防に取り組もうと思っています。