神経内科
神経内科
平成22年4月より、当院におきまして、神経内科外来が開設されました。しかし、神経内科という科は馴染みがうすいのではないでしょうか。基本的には、「脳・脊髄・末梢神経・筋肉の器質的な病気を内科的に治療する科」ということになります。器質的というのは、CT、MRI等の画像や、顕微鏡でこれらの臓器(脳・脊髄・末梢神経・筋肉)をみた場合に異常を認めることを言います。
精神科や心療内科との違いがよくわからないと言われます。
精神科は、主に心の病を扱う科です。精神科で扱う病気は、統合失調症、躁うつ病、パニック障害、不安神経症、不眠症などです。これらの病気は、CTやMRIでは通常異常はみられません。
心療内科は、病気の原因に何らかの心理・社会的要因(ストレス)が関わっている内科的な病気(高血圧、喘息、胃潰瘍など)を治療する科ですが、実際にはこれらの病気よりも、めまい、腹痛、動悸などの症状の出現に、精神的、心理的な原因が関わっている方が多いようです。また、うつ病やパニック障害などは心療内科にかかることが多いようです。メンタルクリニックという言葉も最近よく聞かれますが、心療内科に近いものといえます。神経内科で扱う病気には次のようなものがあります。
その他にもきわめて多くの病気があります。
おそらく病名でもまだイメージがわかないと思いますので、神経内科を受診される方の症状を次にあげてみます。
神経内科の診察にはとても時間がかかります。とくに初診の方は、問診(いつからどのような症状があったのか)と診察で平均30分はかかり、なかには1時間以上かかることも珍しくありません。
診察により神経内科で扱う病気ということがわかり、検査や治療のために入院が必要となった場合、残念ながら当院では常勤医がいないため、入院ができません。その場合は広島大学病院などの関連施設へご紹介いたします。
神経内科で扱う病気は、長い間治療法がなかったものも多くありますが、最近の医学の進歩により新しい治療法がどんどん見つかっています。また、高齢社会を迎え、脳卒中、認知症の患者さんが増え続けています。そういった意味からも神経内科はこれから重要性の増す診療科といえます。