整形外科
整形外科
2020年1月 1日
経皮的後弯矯正術とは、高齢者で骨粗鬆症にもとづく背骨の骨折による痛みが改善しない患者さんに対して、骨セメントを注入することによって、骨折部を安定化させ骨癒合を得る手術方法です。背骨の骨折部で風船(Balloon)をふくらませ、つぶれた骨をできる限り復元した後、風船によって作られた空洞に骨セメントを詰めます。きわめて低浸襲で、かつ速やかに痛みが取れるため、欧米では広く行われている手術方法です。経皮的後弯矯正術は1990年代にアメリカで開発され、2011年1月から保険診療として特定の施設で行うことが認められた術式です。入院は5日程度で、手術の翌日から自由に歩けます。
背中から小さな風船付きの器具を挿入します。 | 椎体の中の風船を膨らませ、つぶれた骨を骨折前の形に戻します。 | 風船を抜くと、椎体内に空間ができます。空間を満たすようにセメントを充填します。 | 手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。 |
手術は手術室で全身麻酔下に行います。レントゲン透視装置で確認しながら、背中から管を「せぼね」内に進めます。そこに風船を挿入し(①)ふくらませることで、つぶれた骨を出来る限り復元します(②)。作られた空洞に専用の骨セメントを詰めます(③④)。手術の時間は通常1時間程度です。