広島総合病院リハビリテーション科では急性期リハビリテーションを中心に行っています。対象となる人は脳血管疾患、整形外科疾患、呼吸器疾患、心臓血管外科疾患、循環器疾患、開胸・開腹などの手術による基礎体力低下、急性発症疾患の廃用症候群などとなっています。
概要・活動方針
概要・診療方針
リハビリテーションには、医師の指示の下、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が関わっています。
リハビリテーション実施にあたっては、身体状況や病棟での様子、医師や看護師をはじめとする他職種からの情報をもとに患者さんひとりひとりに合ったリハビリテーション計画を立案し、実施しております。また、定期的にカンファレンスを開催し、医師や看護師・薬剤師・管理栄養士・社会福祉士などと密接な連携を図り、患者さんの早期回復・社会復帰をサポート(支援)しています。また、地域の医療・福祉機関との連携を大切にし、患者さんの退院・転院先に情報提供を行うことで、より良質なリハビリテーションが円滑に行われるよう努めています。
診療支援内容
- 運動器リハビリテーション施設基準 (Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション施設基準 (Ⅰ)
- 脳血管疾患等リハビリテーション施設基準 (Ⅰ)
- 心大血管リハビリテーション施設基準 (Ⅰ)
- がん患者リハビリテーション料
- リンパ浮腫複合的治療料
これらの施設基準に基づき、各診療科の医師からの指示の下、診療支援部門としての活動を行っています。
当科の特色
当科では入院患者さんを中心に院内全科からのリハビリテーション依頼を受けており、入院直後や手術後早期の超急性期から末期がんなどの終末期まで、多種多様な疾患をもたれた方々に介入しております。全ての疾患別リハビリテーションに加え、がん患者リハビリテーション料、リンパ浮腫に対するリハビリテーションも行っています。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がそれぞれの専門性を活かし、他職種と協働して患者さんに介入しています。
チーム医療の取り組み
リハビリテーションを安全に行い、効果をより高めるために多職種と連携したチーム医療を行っています。入院している患者さんを対象としたカンファレンスを定期的に行い、情報交換や問題点の抽出、目標設定などをしています。脳神経外科や整形外科の患者さんだけでなく、心臓血管外科や小児科、緩和ケア科などほぼすべての診療科においてチーム医療に取り組んでいます。また、RST(呼吸ケアサポートチーム)やNST(栄養サポートチーム)などの回診にも参加し、リハビリテーションの必要な患者さんのスクリーニングも行っています。
PAD(末梢動脈疾患)患者のカンファレンスと回診
リハビリテーション科の 参加しているチーム医療活動 |
心臓リハビリテーションチーム |
RST(呼吸器サポートチーム) |
NST(栄養サポートチーム) |
RCT(呼吸ケアチーム) |
腎臓リハビリテーションチーム |
緩和ケアチーム |
脳神経外科患者ラウンド |
整形外科患者ラウンド |
認知症ケアチーム |
糖尿病チーム |
褥瘡管理チーム |
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療法のご紹介
概要・方針
病気やけが、加齢などによる機能障害を有する患者さんに対して医師の指示の下に介入します。患者さんの身体の状態や治療経過、生活背景などからリハビリテーション計画を立案します。少しでも日常生活が快適に過ごせるように、身体機能の改善、運動能力の回復を目指し、急性期から早期リハビリテーションを行っています。
活動内容
基本動作(座る、立つ、歩くなど)の獲得を目指した支援(サポート)を行います。治療中の患者さんの身体の状態を評価し、身体機能の改善に必要な運動療法や物理療法などを行っています。
対象疾患
- 中枢疾患:脳血管疾患、頭部外傷、脳腫瘍、脊髄損傷、小児発達障害など。
- 整形疾患:脊椎脊髄疾患、関節疾患、外傷など。
- 呼吸器疾患:慢性閉塞性肺疾患、肺炎、肺癌術後、気胸、外傷など。
- 心大血管疾患:急性心筋梗塞、慢性心不全、弁膜症や大血管、末梢動脈疾患術後など。
- がん:進行がん、化学療法など。
- その他:糖尿病等の内部障害、活動量が低下した高齢者、外科術後の体力低下など。
主な訓練内容
概要・方針
脳血管疾患によることばの障害(失語症、構音障害、高次脳機能障害など)やその他の疾患によってコミュニケーションが難しくなった方々、様々な疾患や加齢等に伴い食べること(嚥下)が難しくなった方々に対して、言語聴覚士(ST)が評価・訓練・指導・援助などを行います。
活動内容
言語障害や嚥下障害に対して、評価・訓練を通して回復に向けての援助や症状に合わせた対応方法の指導を行います。
対象疾患
- 中枢疾患:脳血管疾患、頭部外傷、脳腫瘍など
- 呼吸器疾患:誤嚥性肺炎など
- その他:口腔がん、咽喉頭がん、食道がん、廃用症候群など
主な訓練内容
言語訓練
失語症等の方に対して、ことばを聴いて理解する、ことばを話す、文字を読んで理解する、文字を書くなどの訓練を行います。また、ご家族に対して、より円滑にコミュニケーションを図るための方法についての助言も行います。
聴覚的理解課題
書字課題
構音訓練
呂律が回りにくく、発声・発語がはっきりしないなどの症状がある構音障害の方に対して、口が動かしやすくなるようになる、はっきり話せるようになるための練習を行います。
口腔の体操
音読課題
高次脳機能訓練
作業療法士と協同して、注意・集中、記憶、視覚・聴覚認知などが難しくなった方に対して、日常生活動作がスムーズに行えるように訓練・指導を行います。ご家族に対して、より円滑に生活ができるようにするための援助方法についての助言も行います。
嚥下訓練
飲んだり食べたりすることが難しくなる嚥下障害の方に対して、必要に応じて検査を行いながら、かむ力や飲み込む力の改善を図ると共に、食事形態の調整や食べ方の指導などを行います。
概要・方針
身体または精神に障害のある人、又はそれが予測される人に対してその主体的な生活の獲得を得るため、諸機能の回復・維持及び開発を促す作業活動を用いて行う治療・指導・援助をいいます。
(社)日本作業療法士協会定義より引用
活動内容
作業活動(日常生活の諸活動、仕事や遊びなど生活全般に関わる諸活動)を通じて援助を行います。
対象疾患
- 中枢疾患:脳血管疾患、頭部外傷、脳腫瘍、脊髄損傷など
- 整形疾患:脊椎脊髄疾患、手の外科、関節疾患、外傷など
- 呼吸器疾患:肺癌術後、慢性閉塞性肺疾患など
- 心大血管疾患:心不全、不整脈など
- その他:リンパ浮腫、活動量や体力が低下した高齢者など
作業療法の主な練習内容
身体機能面に対して
筋力、関節可動域、感覚などの身体機能の維持、改善を図ります。動作練習を通じて、円滑な動きの獲得や耐久性の改善も図ります。
日常生活動作面に対して
食事動作、排泄動作、更衣動作などの身辺動作の練習を行います。
認知、高次脳機能面に対して
記憶力、注意機能、空間認識能力などを検査し、練習を行います。本人や家族に指導や援助方法の提案も行います。
認知機能強化トレーニング
趣味、余暇活動に対して
作業を通じて余暇活動の充実を図ります。
心理面に対して
長期の入院や障害により低下しやすい精神活動や意欲面の維持、改善を図ります。
生活環境の調整に対して
病棟での生活環境を整え、効率よく活動できるような環境調整を検討します。
医師・スタッフ
医師のご紹介

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急性期リハビリテーションセンター長
急性期リハビリテーション科 主任部長
心臓血管外科 主任部長(血管外科担当)
血管造影センター副センター長
小林 平
Taira Kobayashi
- 資格
- 一般社団法人日本外科学会 外科専門医・指導医・認定医
- 三学会構成心臓外科専門医認定機構(日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会・日本血管外科学会)心臓血管外科修練指導者・心臓血管外科専門医
- 特定非営利活動法人日本血管外科学会 血管内治療医
- 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施・管理委員会 実施医
- 浅代腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会 実施医
- 関連10学会構成日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医・実施医
- 臨床研修指導医

-
整形外科 主任部長(外傷担当)
急性期リハビリテーション科 部長
土井 一義
Kazuyoshi Doi
- 資格
- 整形外科専門医
- 公益社団法人日本整形外科学会・一般社団法人日本専門医機構 整形外科専門医
- 公益社団法人日本整形外科学会 脊椎脊髄病医
早期社会復帰を目指した骨折治療を心掛けて行っています。当地域の一助となればと思っています。よろしくお願いいたします。

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循環器内科 部長
急性期リハビリテーション科 部長
新田 和宏
Kazuhiro Nitta
- 資格
- 医学博士
- 一般社団法人日本循環器学会 循環器専門医
- 一般社団法人日本内科学会 認定内科医
- 一般社団法人日本内科学会 総合内科専門医
- 一般社団法人日本心血管インターベンション治療学会 認定医
- 特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
- 一般社団法人日本内科学会 指導医
地元である廿日市の中核病院で勤務できることを大変嬉しく思っています。少しでもお役に立てるよう精進して参ります。宜しくお願い致します。
職員及びスタッフ
リハビリテーション科の構成 |
人数 |
理学療法士 |
14名 (科長1名、主任3名) |
作業療法士 |
5名 (主任1名) |
言語聴覚士 |
4名 (主任1名) |
取得資格
資格名 |
3学会合同呼吸療法認定士 |
心臓リハビリテーション指導士 |
住環境福祉コーディネーター2級 |
社会福祉士 |
介護支援専門員 |
がんリハビリテーション研修修了者 |
認知症ケア専門士 |
リンパ浮腫複合的治療技術者 |
弾性ストッキングコンダクター |
日本糖尿病療養指導士 |
腎臓リハビリテーション指導士 |
認定言語聴覚士(摂食・嚥下領域) |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士 |
認定理学療法士(代謝) |
認定理学療法士(循環) |
所属学会
学会名 |
日本腎臓リハビリテーション学会 |
日本心臓リハビリテーション学会 |
日本呼吸器ケアリハビリテーション学会 |
日本フットケア・足病医学会 |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 |
日本理学療法士協会 |
日本リンパ浮腫治療学会 |
日本言語聴覚士協会 |