業務紹介
業務紹介
MRI装置は強力な磁石を利用した画像診断装置で、磁場強度により1.5T(テスラ)の高磁場、1.0Tや0.5Tの中磁場、0.3T以下の低磁場装置に分類されています。
当院では、超伝導現象を用いた1.5Tの高磁場装置を2台使用し、短時間で高画質の画像を撮像しています。 MRI検査は、人体の断層像をあらゆる角度から撮像し、観察することができます。しかもCT検査と異なり、造影剤などの薬剤を使用しないで血管を描出することができる為、脳動脈瘤などの診断を簡単に行うことが出来ます。
MRIは、まさに現代医療に欠かせない装置で、当院では早期からMRI装置を導入し、十分な知識をもった専門家によって撮像、読影されています。
MRI検査は、画像診断部が担当しています。院内はもちろん他院からの紹介も多く、検査の質は高く評価されています。予約検査となっていますので、検査を希望される方は各診療科を受診され主治医にご相談下さい。
注意事項として、ペースメーカーを埋め込まれている方、体内に金属のある方(最近の手術による体内金属は、主治医にご相談下さい)、また、閉所恐怖症の方は検査を行うことができません。
▲頭部MRI(内耳)
▲頭部MRアンギオ
造影剤を使用しないで撮像を行った
血管の画像です。色々な角度から
観察し、未破裂の動脈瘤等を診断
します。
2002年12月より16列のマルチスライスCT(MSCT)、2005年5月より64列MSCTが稼動しています。MRI検査と同様に、画像診断部が担当しています。
64列MSCTは、胸部から骨盤部までの範囲を5秒で撮影でき、しかも、全て0.625mmという非常に薄い断層面で撮影することができます。これにより、自由な角度からの病変観察や、3D画像を用いての立体的観察が容易となり、さらに息止めが不可能な方の検査にも有効です。これらの特長を診断能力の向上と患者さんへの説明に役立てています。
また、64列MSCTによる心臓領域の検査においては、最新の技術により16列MSCTよりもさらに診断に有効な画像を得る事ができ、冠動脈バイパス手術後や冠動脈ステント留置後の評価など心臓カテーテル検査に置き換わる検査として確立されつつあります。
▲胸部大動脈瘤
3D表示することにより、立体的な観察が容易に出来、患者さんへの説明にも役立っています。
▲心臓(冠状動脈)
心電図と同期させることにより、冠状動脈の描出も可能となりました。64列MSCT導入により、より高速に、よりきれいになりました。
▲閉塞性動脈硬化症
従来は手の動脈から血管撮影を行っていましたが、現在では全てマルチスライスCTで行っています。撮影時間は約40秒です。
RI検査とは核医学検査ともよばれ、ガンマ線という放射線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を静脈注射などで体内に投与し、検査目的の臓器や病変部に集まった薬から放出されるガンマ線を専用のカメラで撮影し画像(シンチグラム)を得る検査です。「シンチグラフィー」、「シンチ」ともよばれます。
主な検査としては、ガンの骨への転移、骨折などを調べる「骨シンチ」、炎症や悪性腫瘍の部位や程度を調べる「ガリウムシンチ」、腎機能を調べる「レノグラム」等があります。
また心臓や脳の検査の場合はカメラを回しながら撮影しコンピューター処理で断層像を作成します。
これにより血流の異常が分かるので狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や痴呆症などの診断に役立ちます。
全身の骨の異常を感度よく見つける検査です。
静脈注射したアイソトープが、骨に集積するまで待った後に、30分程度の検査をします。
▲全身像の収集
▲全身像(前面・後面)
▲胸部SPECT画像
心筋画像を収集することで心筋の虚血や梗塞部位を診断します。
1日のうちに、負荷をかけた直後と2~3時間後の安静時の2回、午前と午後に分けて検査をします。
▲心筋の収集
▲負荷時心筋像
▲心筋機能画像
循環器内科の医師を中心に、主に心臓の筋肉の栄養血管に造影剤という薬を注入し、心筋梗塞、狭心症などの診断及び、治療を行います。検査は手首や肘、足の付け根の血管より、カテーテルと呼ばれる細長い管を目的の血管まで挿入し、造影剤を注入しながら動静脈を撮影します。心臓は動きが速い為、1秒間に15枚撮影し、映画のような動画をつくります。
画像のデジタル化により、以前のアナログ方式の様にフィルムの現像を待つことなく、検査中でもリアルタイムにテレビモニターでの観察が可能となりました。さらに血管の狭窄率(詰まり具合)を計測することも可能となった為、より精度の高い検査が可能となりました。必要に応じて、PTCA(風船療法)、ステント療法などの処置が施されます。
▲血管が詰まっています。
▲風船を詰まっているところでふくらませます。
▲血管の先まで血液が流れるようになりました。
脳神経外科の医師を中心に、主に頭部の血管に造影剤を注入し、脳の腫瘍や脳梗塞、脳出血などの脳血管障害等の診断及び、治療を行います。検査は肘や足の付け根の血管より、カテーテルと呼ばれる細長い管を目的の血管まで挿入し、造影剤を注入しながら1秒間に4枚の血管画像を撮影します。
デジタル化により、血管の太さや狭窄率を計測することが容易となった為、より精度の高い診断・治療が可能となりました。開頭手術の難しい脳動脈瘤のコイル詰めや、頚動脈の狭搾に対するステント留置等の治療も行っています。
▲内頸動脈狭搾
血栓で細くなった血管にステントを留置すると血液がスムースに流れるようになりました。
▲脳動脈瘤
手術の難しい位置にある動脈瘤の大きさを計測し、適当なサイズのコイルを詰めていきます。最後に撮影すると、動脈瘤は写らなくなりました。
画像診断部の医師を中心に、上記以外の胸腹部臓器疾病の診断及び、治療を行います。検査は足の付け根の血管より、カテーテルと呼ばれる細長い管を目的の血管まで挿入し、造影剤を注入しながら1秒間に4~8枚の血管画像を撮影します。
デジタル化により、リアルタイムでの診断が可能となり、スムーズに治療へと移行することができます。当院では悪性腫瘍に対する抗癌剤注入が主ですが、他にも手術前に血管の走行を調べたり、腹腔内出血の止血等の治療もしています。
▲肝細胞癌
左図は肝臓の血管を撮影したところです。矢印の丸く写っているところが腫瘍です。
右図は治療後の写真で、腫瘍内に充分抗癌剤が注入されているのがわかります。