ホームニュース・お知らせ『栄養サポートチーム(NST)』 ご紹介

ニュース・お知らせ

ニュース・お知らせ

『栄養サポートチーム(NST)』 ご紹介

2014年09月15日

チーム概要

『栄養サポートチーム(以下NST=Nutrition Support Team)』は、栄養管理における専門的な知識を持つ様々な職種のスタッフによって構成されるチームです。当院NSTは2005年4月より活動を開始しています。
病気やケガの治療には、適切な栄養摂取が不可欠であり、栄養が足りていない(栄養不良、栄養状態が悪い、などと表現されます)と、治療がよりスムーズに行えず、感染症にかかりやすくなり、手術やケガなどで生じた"キズ"の治りが遅くなるなど、様々な問題が起こります。
そこでNSTは、栄養不良の方や、胃ろうなどから経管栄養を行っている方など、特に栄養管理が治療上必要と考えられる患者様に対して、回診やカンファレンスを通じて、栄養管理に関する様々な提案を行っています。

院内掲示ポスター 拡大表示

専従・専任メンバー と 職種別の役割 (※2014年4月現在)

職種 メンバー 役割
医師 香山茂平
櫻谷正明(ICU)
チームの責任者,対象者の病状の把握,主治医との連携
管理栄養士
(専従)
八幡謙吾(専従)
要田裕子
栄養アセスメント,モニタリング,必要栄養量算出,食事内容・食形態調整
(専従業務)主治医・病棟との連携(相談窓口)
患者様・ご家族への説明、退院時指導、外来相談など
看護師 石崎淳子
藤本七津美
病棟看護師との連携、リンクナースの統括
栄養管理上必要な看護・ケア
薬剤師 中島恵子
山崎貴司
対象患者の使用薬剤確認,栄養輸液の検討,病棟薬剤師との連携
臨床検査技師 横山富子
山下美香
検査データの読み取り、RTP測定,
窒素バランス測定,間接熱量計(基礎代謝測定)
理学療法士(PT) 金羽木敏治 リハビリ実施状況の確認,理学療法・ADL拡大→栄養の同化促進
言語聴覚士(ST) 上田雅美 嚥下機能評価(経口摂取継続の判断),食形態調整

主な活動内容

  • ・NSTラウンド(回診):毎週木曜日 14:30~
  • ・NSTカンファレンス:毎週木曜日16:00~
  • ・院内NST研修会:6回/年
  • ・栄養管理推進委員会:毎月最終木曜日
  • ・看護科栄養管理推進委員会:毎月第2月曜日
  • ・その他、外来での栄養に関する相談や、他院への情報提供など

ラウンド・カンファレンスの様子

施設認定

  • ・日本静脈経腸栄養学会「NST稼働施設」
  • ・日本病態栄養学会「栄養管理・NST実施施設」
  • ・日本栄養療法推進協議会「NST稼動施設」

NST回診件数・加算算定件数

2013年度回診件数:延べ1068件

『消化管』を使うことの意味は?

『消化管』(特に小腸)は、人間の体の中で最も大きな免疫臓器であり、正常に機能していれば、全身の免疫系のおよそ60%は消化管が担っているといわれています。小腸や大腸などは、消化管に入ってきた食物(栄養)を自らの栄養源としていますので、消化管に食物(栄養)が入ってこないと、消化管の粘膜細胞が萎縮してしまい、正常な機能(消化吸収や免疫)を失ってしまいます。また、小腸の粘膜が萎縮することによって、消化管内の菌が体内に入り込み、感染症(bacterial(バクテリアル) translocation(トランスロケーション))を起こしてしまうこともあります。

"栄養"を摂取する場合、『経腸栄養』と『経静脈栄養』の大きく分けて2種類の栄養摂取方法があります。
『経腸栄養』には、「経口栄養」(口から食事を食べる)と「経管栄養」(経鼻胃管や胃ろう・腸ろうから栄養剤を注入)があり、『経静脈栄養』には、「末梢静脈栄養」(腕などの細い血管からの、薄い濃度の栄養輸液)と「中心静脈栄養」(鎖骨下静脈などの太い血管からの、濃度の濃い栄養輸液)があります。
『経静脈栄養』はどちらも直接血管に点滴を行いますが、経静脈栄養のみでは消化管を使用しないため、前述の通り消化管機能の低下を招く恐れがあります。また、血管に針を挿入すること自体が、感染症の原因にもなります。

そのため医療の現場では、特別な場合を除いて『経腸栄養』を第一選択としています。一番自然なのは経口栄養ですが、嚥下障害のある方など、口から食事が十分に摂取できない場合には、経鼻胃管や胃ろうなど、患者様・ご家族の意向も考慮しながら、適切な栄養摂取方法を選択しています。

一覧へ戻る