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麻酔科

概要・診療方針

概要・診療方針

麻酔科医は,患者さんのからだを手術の痛みやストレスから保護し、安全で確実な手術ができるように,患者さんを全身管理する専門医師です。

われわれは,患者さんの全身状態を速やかに判断して治療にあたる経験を積んでおり、救急医療や集中治療にも重要な役割を果たして病院を基礎レベルから支えています。

患者さんの麻酔法や治療方法については、"選択枝のあるご提案"と,できる限りの情報提供を行い、ご本人にも治療に積極的に参加していただいています。
そして全ての患者さんが当院での治療にご満足いただけるように日々研鑽しております。

診療内容

1.手術の麻酔管理(2022年度)の実績は3,802人の患者さんでした

手術は単に有害な刺激である"痛み"を患者さんのからだに及ぼすだけではなく,他にも神経系、内分泌系、免疫系などに多くのストレスを与えます。

担当医が手術の前から手術中,手術後の管理までを継続的に,患者さんの全身状態の把握し,適切な状態となるように努めています.これは手術の周りのケアという意味で周術期管理と呼ばれており,先進国では麻酔科医を周術期管理医と呼ぶこともあります。

術前診察

手術の前には必ず麻酔科医が患者さんを診察させていただきます。事前に麻酔科学会発行の「麻酔のしおり」をお渡ししてご本人とご家族に読んでいただくことで予備知識を得てもらえるようにしています。プライバシーを配慮して移動制限などがなければ、原則として麻酔科外来で行っています。
実際には、まず患者さんや家族の方々のご質問やご意見をお聞きしています。引き続いて患者さんの状態をじゅうぶんに診察させていただき、すべての情報を統合的に判断して患者さんの状態にあった適切な麻酔法を計画してご提案します。可能な限り選択枝のあるご提案を心がけ、患者さんご自身の選択に必要な情報も差し上げるようにしています。もちろん充分な情報提供をして無用な不安をなくすよう努めています。

麻酔管理

手術中は患者さんに麻酔科医が1対1で対応し、さまざまなモニターを用いてお身体の状態を把握しながら手術侵襲に対して患者さんを守ります。

術後管理

とくに痛みの強い手術では積極的な術後鎮痛緩和サービスを行っています。

  1. 手術の際に留置した硬膜外麻酔や神経ブロックカテーテルから精密持続注入器を用いて局所麻酔薬を注入し、術後の痛みを和らげます。
  2. 患者さんご自身の痛みに応じて鎮痛薬を投与する、患者自己調節鎮痛法(PCA)という疼痛コントロールも行っています。

2.疼痛外来 ペインクリニック

痛みと循環不全に対する治療を行っています。
病院内外の各科医師と協力して以下の疾患を中心に治療しています。

診療科疾患
耳鼻科 顔面神経麻痺、突発性難聴など
皮膚科 帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛など
整形外科 椎間板ヘルニア、反射性交感神経性萎縮症など
脳外科、神経内科 三叉神経痛、片頭痛、群発性頭痛など

3.集中治療と救急医療

重症患者さんは手術後に集中治療室(ICU)で術後管理を行っています。また、緊急手術に対しては24時間待機体制で対応を行っています。

4.救急救命士の教育

重症患者さんを病院へ搬送する救急救命士が現場で高度な医療行為(静脈確保、気管挿管)を習得するために必要な実習を行っています。患者さんのご理解とご協力のほどよろしくお願いします。

当科の特色

経験豊富な麻酔科専門医・指導医の層が厚いです。
われわれ麻酔科医が患者さんと接触するのはごくわずかですし、表にでてくることばかりではありませんが、安全で快適な治療を受けるために重要な役割を果たしています。
ご自分がお受けになる治療方法に関する質問は些細なことでも、お気軽にお尋ねください。