乳腺外科
乳腺外科
当院乳腺外科では、主に乳腺の悪性腫瘍である乳がんの診療を中心に、乳腺に関連する症状をお持ちの患者さんの診察を行っております。
女性がかかる悪性腫瘍の中では乳がんが一番多くなっています。発症する年齢は、35歳から急増し、45歳から75歳にかけて緩やかにピークとなっています。第1子出産時の母の平均年齢が30.7歳(平成28年データ)であることから、女性の30代は結婚・出産・仕事など大きなライフイベントを迎える人が多い世代となっています。
また40代以降も育児・責任のある仕事・介護など様々な人生のイベントを抱えながら病気と向き合っていかねばなりません。
それぞれの患者さんの抱える背景にも配慮しながら、最も適した治療を検討するよう心がけております。
乳がんを中心に乳腺疾患の診断、治療を行っています。乳がんの治療は、手術療法・薬物療法・放射線療法といった治療法を適宜組み合わせて行う集学的治療が基本であり、それにより飛躍的に治療成績が向上します。当院外来化学療法部、放射線診断科、放射線治療科、病理診断部と協力し診療に当たっています。形成外科と連携し、乳房再建も積極的に行っています。
科学的根拠に基づいた標準的治療を提供しております。選択肢の中から、患者さんの年齢・体力・意向を考慮し、相談の後、治療方針を決定いたします。
根治性を保ちながら美しい乳房を残す努力をしています。乳輪切開・側胸部切開を利用し、極力手術跡が目立たないように手術を行います。
乳房切除を行う場合、乳房再建術についてもご提案いたします。
BRCA遺伝子に生まれつき変化がある体質かを調べ、変化があった場合は、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と診断されます。一部の方には遺伝子検査やその後の検査、手術に保険診療が適応されます。条件に当てはまる方には積極的に情報提供を行っています。
妊孕性とは「妊娠するために必要な能力のこと」です。乳がんの抗がん剤治療によって妊孕性が低下したり、内分泌療法によって妊娠出産の時期を遅らさざるを得ない場合があります。患者さんの妊娠出産の希望を治療前に伺い、必要に応じて生殖医療提供施設と連携して、治療を進めて参ります。
広島県が構築する「乳がん医療ネットワーク」に基づき、医療連携を推進しています。患者さんの術後治療に応じて連携先を調整します。地域連携パスを活用した切れ目のない医療サービスを提供しています。
当科では、複数の臨床試験に参加できる体制をとっています。治験は関連施設である広島大学病院が参加しているものに適応がある患者さんには、情報提供を行っています。