病理診断科
病理診断科
病理診断は病変が良性か悪性かのようにシロかクロかをつける審判役で、患者さんの治療の最終的な方針を決める大きな役割を持ち、ここで間違った"判断"を下せば生命にかかわるだけに責任は重大です。病理診断科は平成20年4月から標榜診療科として承認され、現在、病気の早期発見ときめ細やかな治療が求められる中で、病理の重要性が改めて認識されるようになりました。
病理診断には細胞診、組織診断、術中迅速診断、病理解剖があり、組織診断はまず、病変の一部を採取し、顕微鏡を通して病気の診断を決める"生検"が行われ、その後、外科的な手術により切除された病変全体の詳細な診断により、治療方針が決定されます。臨床医との緊密な連携のもとで、的確な病理診断は患者さんにより優れた医療を提供することが可能になります。
病理組織診断、細胞診診断、術中迅速診断などをおこない外科医(Guiding the Surgean's Hands)などの臨床医の判断材料を提供し治療計画決定に関与いたします。さらに、病理解剖により死因解明と医療監査の役割をはたします。
広島市西部の病院や診療所(開業医)と常時の診療提携を行っており、当院ICUホットラインに経由または内科系当直を介して緊急受け入れ体制が整っています。
近年、冠動脈ステントは急性心筋梗塞や狭心症に対して使用される有効な治療手段となりました。バルーンによる冠動脈形成術では約30~50%、従来のbare metal stentによる治療では再狭窄率15~20%と比較的高率でしたが、再狭窄を約3~5%に減少させる薬剤溶出性ステント(drug eluting stent: DES)が使用可能となり、ここ数年で急速に普及し、内科的治療の枠が拡がっています。また、心臓カテーテル診断以前に心臓CT検査を施行することにより、狭窄病変の有無だけでなく、動脈硬化(冠動脈プラーク)性状の診断・評価を行っています。
虚血性心疾患(急性冠症候群や安定狭心症など)の症例には、ステント、ロータブレーターといった日本で得られる最先端の治療手技を提供いたします。虚血性心疾患のみならず、肺塞栓症・深部静脈血栓症例には下大静脈フィルター留置術も施行可能です。徐脈性不整脈に対する電気生理学的検査やペースメーカー治療も行っています。
大動脈瘤・大動脈解離・閉塞性動脈硬化症といった大血管・末梢血管疾患についても診断後に、内科的な投薬、経皮的なカテーテル治療や手術など病態に応じた治療法を選択、必要な場合には早期に心血管外科に紹介致します。心臓血管外科が常駐しているため、前述の冠動脈バイパス術に限らずカテーテルによる合併症やカテーテルで治療できない場合のサポートは整っています。