臨床研究検査科
臨床研究検査科
ヒトの体内には感染症の原因となる菌(起因菌)以外にも多くの菌(常在菌)が存在しています。これらを鑑別して起因菌を同定し、その起因菌に効く抗生物質(抗菌薬)は何であるかを調べるための検査を行っています。
喀痰グラム染色像
培養して発育したコロニー
患者さんから採取された様々な検体(喀痰・尿など)から起因菌を見つけるためには、染色して顕微鏡で観察し、培養して細菌を増やして目に見える状態(コロニー)にします。その菌を用いて、起因菌を同定し、必要に応じてどの抗菌薬が効くか検査を行っています。当院では2024年に質量分析装置を導入したことにより、迅速・正確な菌名を報告しています。
また、院内感染対策チームと連携し、病原菌発生状況や耐性菌発生状況等を報告し、病院内の感染管理に役立つ情報を提供しています。
質量分析装置
細菌自動分析装置
尿は腎臓で血液をろ過して作られます。尿検査は腎・泌尿器疾患だけではなく、全身状態の評価と病気を推定するためのスクリーニング検査です。
〇尿定性検査は、試験紙を用いて尿に含まれる成分から体の状態を示す基礎的な情報10項目を短時間で同時に検査します。健康診断で行われる尿蛋白、尿糖、尿潜血検査は尿定性検査の項目です。
全自動尿分析装置US-3500
〇尿沈渣検査は、尿を遠心沈殿させて得た沈渣物を顕微鏡で確認する検査です。
当院では自動分析装置も併用しています。膀胱炎では白血球や細菌などを認め、腎臓病では赤血球や円柱と呼ばれる特有の蛋白成分などを検出します。また尿路に発生した癌細胞が見つかることもあります。疾患の早期診断、治療効果や薬剤の副作用の判定に役立ちます。
全自動尿中有形成分分析装置UF-5000
尿沈渣の顕微鏡検査
〇便潜血検査は、便に血液が混入していないかを調べます。当院では便中ヘモグロビン検査を採用し主に腸の出血で陽性となります。大腸がん検診の1次スクリーニング検査としても実施しています。
また、便を顕微鏡で確認し消化吸収状態を確認する便中脂肪検査や寄生虫検査なども行っています。
OCセンサーPLEDIA